小学生のうちから「書ける」なんていらん!

2024年度は教科書改訂の年。

それに伴い、英語の教科書も改訂されました。

教科によっては「教科書の見た目」が変わった程度で、学習内容に大きな変化はないものもあるでしょう。

しかしながら、教科書改訂があるたびに英語は学習内容が大きく変更されています。

今回の改定での何より大きな変更点は「書く力の育成」を目指していること。

昨年度まででは「書く」という活動や課題はほとんどなく、「聞く」「話す」のみと言っていいぐらいでした。

しかしながら、今年の教科書からは書く活動がかなり入ってきています。

 

私は思います。

「そんな力、小学校での授業でつけられるわけないやん」って。

「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能のうち、「書く」が一番最後に身につく力です。

中学生は週4回授業がありますが、小学生は週2回です。

そんな時間数で書く力をつけていくというのは不可能に近いです。

どれほど指導力のある先生がいても無理だと思います。

私なら絶対無理です。

それを求められて、追い込まれていく小学生がどんどん出てくるのではないかと心配しています。

 

Tokushima is a good place.
My grandparents live there.
In summer, you can enjoy Awaodori.
It's a famous dance.
It's exciting!

『この文章を参考にして自分で紹介したい場所を書いてみよう!』

書けるわけないです。

伝えたいことを日本語で考えて、それを英語で「言える」よう暗記するぐらい何度も口頭練習して、そのあとにその内容を文字で表していくことになります。

口では言えても、書けない単語が山ほどあるはずです。

むしろ書けないものだらけだと思います。

それらを正しく書けるように練習して、ようやく英語での紹介文が出来上がります。

これにはかなりの授業時間が必要です。

教科書内でさらっと「書いてみよう!」と出てきますが、書けるわけありません。

 

だから小学生のみなさん、書けなくていいですよ!

全然気にしないでください!

 

そのかわり、してほしいことがあります。

音読です。

教科書のQRコードを読み取ればお手本の文章を聞くことができます。

それを聞いて、何度も何度も音読をしてください。

音を暗記するのではなく、文章を見て、読まれているところを指で追いかけながら聞いて、音と文字をつなげる意識をしましょう。

読めるようになれば、自然と書けるようになっていきます。

「書ける」は中学生になってからでも大丈夫。

「読める」に力を入れましょう。

小学校を卒業する3月に、教科書に載っている英語の文章が全て読めるようになっていれば、それで十分素晴らしいです。

中学校での英語の勉強も大丈夫です。

 

先日のヤフーニュースで「小学生の段階でもうすでに英語嫌いがさらに増加」という記事がトップニュースになっていました。

不可能なことを子どもたちに求めてほしくないです。

「できるようにならないと…」と子どもたちが追い込まれてほしくないです。

「できるように指導しないと…」と先生方が疲弊してほしくないです。

 

「できる!」「わかる!」がたくさん溢れ、

「もっとできるようになりたい!」「英語を書いてみたい!」と思えるような展開に持って行ければ最高ですよね。