中学2年生でのことです。
2年生には毎授業で単語テストをしています。
合格点に届かなければ居残り補習になってしまう単語テストです。
満点を取る生徒、合格点ギリギリの生徒、正解と不正解が半々ぐらいの生徒、かなり苦しんでいる生徒。
いろいろな生徒がいます。
点数が揮わない場合に居残り補習を強制するのは、全生徒にしっかり頑張ってもらいたいからです。
しかし、最近その自分の考え方が変わってきています。
単語テストで苦しい結果になる生徒のほとんどが練習量不足です。
その結果がテストに反映されているだけです。
単語の勉強が好きではないのでしょう。
したくないからしないままなのでしょう。
それではだめだとみんなわかっているのですが、なかなか行動に移すのは難しいですね。
しかし最近では、2年生の単語への取り組みが変わってきていると感じます。
これまできっと「嫌いだからしない」という選択をしていた人たちが、「嫌いだけどがんばる!」にシフトチェンジできています。
そして単語テストの点数も上がっています。
前回の単語テストを返却したとき、これまでで一番いい点数をとったAさんがガッツポーズをして喜んでいました。
居残り補習から逃れられるかもしれないという期待からかもしれませんが、
「頑張ったんです!」と報告をしてくれる顔が生き生きとしていました。
また、いつもなら単語テストでは苦しむことが多いBさん。
今回は1問ミスだけで、「よく頑張って練習してきたんやね」と声をかけると、
「はい、頑張ってきました。」と照れくさそうに答えてくれました。
そのあとも友だちと答案を見せ合いながら「今回頑張って練習してきたんやもん」とうれしそうに話していました。
Cさんは単語テストではありませんが、授業中にワークの問題でわからないことがあり質問をしてきて、
私が解説をすると「なるほど、わかった。先生、わかるとうれしいから頑張るわな!」と言って、
またワークの問題に挑んでいました。
長文問題が大嫌いなDさん。
10分間の時間制限を設けて各自解いているときに小声で私を呼んで、
「なんか知らんけど、今日の長文問題わかるねん!これ、答え合ってる?」と聞いてきました。
私が「うん、4問とも正解やね。力がついてきてるんじゃないかな。」と伝えると「ほんまに?!やった!」と喜んでいました。
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの表情を見ていると、「できる」「わかる」の重要性を感じます。
あのうれしそうな顔や問題に向かう真剣な表情は、ペナルティーで強制的に残される補習では絶対に見られません。
ペナルティーを与えられるということは、それは彼らにとっては「失敗体験」なのではないでしょうか。
それよりもどうすれば「成功体験」を積ませてあげられるのかを考えるのが大事だ、と彼らを見ていると思います。
やるのは生徒で、私はあくまでもサポート。
だから、いくら私が気張っても彼らが頑張ってくれないと成功体験は積めません。
私はひたすら声をかけ、励まし、ときには叱り、いっしょに走れたらと思います。
2年生たち、逞しくなってきました。