ステップアップすべきことと、コアのバランス

昨日参加させていただいたB.B.カード講習会。

たくさんの学びがあり、常にメモを取るような充実した学習会でした。

その中でも私自身が強く印象に残っているのが見出しのことです。

 

野球をしているそこのあなた。

毎回の練習、必ずキャッチボールがありますよね?

それってケガをしないように肩を温めるためではないですよね?

「キャッチボールは野球の神様だ」という言葉を聞いたことがあります。

初めてユニフォームを着て野球をする子供から、その道の達人であるプロ野球選手までみんなが必ず行うキャッチボール。

これがすなわち「コア(核)」です。

「しっかり捕って、しっかり投げる」という意識をひたすらブレずに行うことが、野球の上達には必須なのです。

 

では、英語の学習でのコアは何なのでしょうか。

それはきっと学習者、指導者によって考え方は変わると思います。

「文法だ」「単語や熟語だ」「まずはリスニング力だ」「恐れず話す気持ちだ」

どれもこれも全て大事です。

私が個人的に考えているコアは「文法」です。

しかし「単語も熟語もリスニングも気持ちも大事なのに、なぜ文法なの?」

と聞かれると、はっきり答えきれない自分がいました。

それが昨日解消されました。

 

さらなる力を身につけるためには、勉強や練習レベルのステップアップは大事です。

でもステップアップすると、どうしてもそれ以前のことを前のようにはしなくなりませんか?

このことが大事なポイントなのです。

単語学習のような暗記分野においては、ステップアップをどんどんしてもいいと思います。

「Lesson5の単語を覚えられたっぽいから、次はLesson6の単語をやるぞ!」

こうすると、きっとLesson5の単語って以前のようには勉強しなくなります。

でも、暗記分野は「覚える」「忘れる」をくり返すことで定着しますので、それでいいのです。

忘れたらまた戻ってきてください。

 

しかしながら、文法事項は暗記ではなく「理解」なのです。

なぜここにbe動詞を置いてはいけないのか、なぜここに「the」がいるのかなど、この「なぜ」を説明する力が「理解」です。

この理解を完璧にできていないと、特に英語の学習においては、次の単元に行くべきではないのです。

無理にステップアップをして、まだ身についていない文法をすっ飛ばしていくべきではないのです。

 

B.B.カードは64の英文があります。

SV、SVC、SVOO、SVOC、不定詞、比較級、最上級、受け身、過去形、現在形、未来形、関係代名詞、動名詞 などなど

重要文法がてんこ盛りになっています。

つまり、英語学習のコアである「文法学習」に大きくつながる教材です。

この64の文章全てを初期段階からどんどん子どもたちが聞いて、真似をして、をくり返します。

「16枚できるようになったから、次の16枚に行こう!」というステップアップではなく、

64全てをずっと聞いて、言い続けるのです。

気づかないうちに何となく聞けるようになり、何となく言えるようになり、さらには自分だけで言えるようになります。

言えるようになれば次は自然と音と文字の関係性に気づき始め、読めだすのです。

これはステップアップではなく、1枚目のカードから64枚目のカードまでずっと続けるからです。

なぜ英語のコアは文法なのか。

その私の答えは「理解が必要だから」ということと、「B.B.カードがこう作られているから」です。

 

これって本当に野球のキャッチボールと似ているなと思います。

お互い手を伸ばせば届くのではないかというような近い距離から初め、少しずつ距離を広げていきます。

野球は捕ったあとに右や左や前やいろんなところに投げるスポーツですが、お互い向き合って真っすぐ投げることから始めます。

毎回毎回です。

なぜなら正面から来たボールをしっかり捕って、正面にしっかり投げることがコアだから。

 

また、初めてグローブに手を入れた子どもたちは、自然と「なぁなぁ、ボール投げてきて!」となります。

そしてもちろん捕れません。

後ろに逸らしたボールを走ってとりに行って、相手に投げ返します。

そして、そのボールもちゃんと投げられません。

ちゃんと捕れないし、投げられないですが、これはれっきとした「キャッチボール=コアのトレーニング」なのです。

これをひたすら繰り返していると、ある日捕れるようになっているのです。

そして、相手が捕れるところに投げられるようにもなっているのです。

こうなったらこっちのものです。

上手い仲間や憧れの選手を観察しだします。

そして、何かに「気づいて」真似したり、調べたりを始めます。

 

英語のコアである文法の強化はB.B.カードが担ってくれます。