テストの点数が一番大事?
先日の小学6年生の授業でのこと。
ある生徒が「学校で英語のテストがあってんけど、絶対に間違ってもたところがあるねん。」と話してくれました。
どんな問題だったのか、どんな間違えをしたのか聞いてみると、
「英語を聞いて、それがどんな意味なんかを答える問題で、『レッド』やから『赤』が答えやったんやけど、自分には『ブレッド』に聞こえて、『パンのことや』と思ってしまって、そこを間違った…。」とのこと。
この「レッド・ブレッド問題」は他の6年生も思ったらしく、
「そうやんな、あれって『ブレッド』って言ったやんな!?自分もそう聞こえたし!」
「やんなー?!絶対『ブ』が入っとったよな!?」
という声がいくつか聞こえてきました。
「間違ったんショックやわぁ~…」と100点がとれないことに悔しそうな6年生たちでした。
これってみなさんはどのように感じられますか?
私は全然問題ないと思っています。
理由は「red」は「赤」で、「bread」は「パン」だと理解できているからです。
そして、彼らに聞こえた英語が「bread」で、それがすぐに頭の中で「パン」というものになっているからです。
そのテストの問題だけで考えれば間違いなのでしょうが、英語力として考えると、しっかり身についていますよね。
私も含め、保護者はどうしても我が子の学習の定着度合いを「テストの点数」だけで判断しがちです。
私自身も自分の子どもが学校のテストでいい点数をとってくると安心しますし、逆に思いのほか点数が低いと心配になります。
でも、できていないテストの問題を家で本人と確認してみると、「なんで自分はこんな簡単なこと間違ったんやろ?」と子ども自身が一番不思議がるようなことが起こったりします。
つまり、わかっているのです。
当然それをテストで発揮しないといけないのですが、それはまた別の話です。
テストの点数だけで親も子どもも不安に思ったりすることはないと思うのです。
逆にテストの点数がいいからこそ何も子どもには聞きませんが、実際はあてずっぽう書いた答えであるかもしれません。
「ラッキー!何か知らんけど、思っとったよりも点数いいし!」のほうが心配なことなのではないでしょうか。
小学生のうちの英語学習で一番大事なことは「英語は難しくない」「英語はできる」「英語は楽しい」という感覚を得ることです。
その思いを持った子どもは、難しいことに挑戦するようになっても、自分からくらいついていけます。
その思いを持つために必要になるのが小さな成功体験の積み重ねです。
今回の小学生の「間違った」答えですが、「何しとんねん~!」ではなく、「『bread=パン』ってわかっとることがすごいやん!」と声掛けしてあげることで、彼らの中では失敗体験であったその問題も、決してマイナスではなく、彼らの成功体験へと昇華させられると思います。
いかにして自分の英語力に自信を持てるか。
英語に興味を持ち、「もっとわかるようになりたい」と思えるようになるか。
授業でもテストでもそこを大事にして取り組んでいきたいです。
そうなった子どもは、遅かれ早かれ英語力は著しく伸びていきます。