「学ぶ」は「真似ぶ」

よく聞く言葉です。でも、その通りです。「野球で遠くにボールを飛ばしたい!よし、阪神タイガースの佐藤輝明みたいにフルスイングを心がけよう!」「めるるみたいにかわいくなりたい!よし、真似してキラキラのヘアピン付けよう!」のように、自分が目標とする人を真似することは、成長の第一歩です。

これ、英語力のアップも同じです。真似をしてください。何をかと言うと、教科書の音声です。今の教科書はハイテクで、教科書にQRコードが載っていますね。それをスマホなりタブレットなりのリーダーで読み取れば、教科書の音声が聞けます。一昔前はCDでした。でも今ではCDプレイヤーを持っていない家庭が多くなり、これは何ともしようがない、困ったもんだとなっていた矢先、QRコードの出現です。ありがたい限りです。

音読は本っ当に効果がありますよ!音読をせずしてリスニング力の向上はないと言っても過言ではありません。だって、自分で正しく読めない単語が聞けるようになるわけないですからね。

同じ物事が複数重なることを「重複」と言います。これを私はずっと「じゅうふく」と読んでいたため、会議か何かの席で「先ほどの話と『ちょうふく』しますが」と言われたときに、「今なんて?」となったのを思い出しました。(本来は「ちょうふく」でしたが、今では「じゅうふく」でも読みとしては正しいと認識されだしたようです。)

ブログ「単語の覚え方」でも触れたことですが、自分が正しく発声できない言葉を聞き取ることは不可能です。「I like swimming in the sea.」というわかりやすい英文も、「アイ ライク スイミング イン ザ シー」と読んでいる人には聞き取ることは至難の業です。だからこそ、教科書の英文をしっかり聞いて、その音をしっかり真似しましょう。モゴモゴ小さな声で言うのではなく、大きな声で読むことがコツです。そうしないと自分の耳に届きません。それだけを意識して音読するだけで、十分リスニング力は上がります。間違いないです。

英語の音を正しく聞く=インプット、英語の音を正しく発声する=アウトプット。たかが教科書の音声の真似ですが、瞬時にこのインプットとアウトプットを繰り返すわけですから、かなりいいトレーニングです。

先日中学1年生の授業で「her」が登場しました。この発音は難しいです。日本人は当たり前のように「ハー」と言う人が多いです。全く違います。「her」と「ハー」では別の言葉です。発音記号は「hɝː」で、「ɝː」の音は舌を半分に折って、舌の左端と右端を口内の上部に当てながら、口を軽く開けて「アー」と言うと出る音です。(アメリカ英語の発音なので、イギリス英語はまた違います。)文字で書いてもわけがわかりませんね。とにかく「her」と「ハー」は全然違うのです。

中学1年生の生徒さんたちはみんな苦労していました。恥ずかしさもあってなかなか発声できないこともありましたが、少しずつ確実に上手になりました。それはつまりリスニング力が上がったと言っても間違いではないのです。このように正しい発音を身に付けることでリスニング力はつきます。

夏休みも残り少なくなりました。正しく真似て力をつけ、2学期のスタートダッシュを切りましょう!