中1英語はやっぱり大変です…

夏休みがあけて、学習塾で英語教育に携わっておられる方がSNSで投稿された内容が、英語教育界をざわつかせました。


「夏休み明け9月のテストで、30点をとれない生徒が3分の1いた。」


本当に本当に中学1年生の英語、大変なのです。

2021年度から新学習指導要領に則った中学校での英語の授業が始まりました。

とにかく大きく変わったことは「単語の量」です。
とんでもない量です。

「単語は暗記分野だから、結局は個人で時間と労力をかけてやれば誰でもできる。」

そう言われてしまうとそうなのですが、中学1年生の4月から一気にあの量をこなしていくのは酷です。

新しい人間関係の中での気疲れがあり、小学校よりも授業時間が増え、部活動が始まれば朝が早くなり、帰りが遅くなります。
土日や祝日も部活動があり、明らかに心も体も疲れる中学1年生の4月と5月。

できる限り負担を少なくしてあげたいと誰もが思うのですが、英語の教科書を開くと、そこには早速大量の単語が載っています。

曜日、月、各教科、習い事、そして起きてから寝るまでの1日の流れを表している英語。
これらは中学校での勉強が始まる前のウォーミングアップのようになっています。
そして、それらは「小学校で学習済」であり、「もうすでに知っていることが前提」として教科書は構成されています。

その量もさることながら、その単語の難度も上がっています。

塾生のお母さんと話をしていた中で、「英語の教科書、難しくなってますよね!?高校生のお姉ちゃんが中1の教科書を見てびっくりしていました。『souvenir』なんて高校の教科書に出てきたと言っていました。」
「souvenir」は「おみやげ」という意味ですが、これが中1で登場します。

 

このように、単語が多くの中学生を苦しめています。

しかし、植物が大きくなるためには長く、強く、そしてたくさんの根っこが必要なように、英語力を伸ばす根っこは「単語」であることは間違いない事実なのです。
大事なのです。

だからこそ、中学1年生のみなさんの中で「英語がわからない」となっている人は、教科書に載っている新しい単語を見て「それが読めて、意味が分かるか」を確認してみてください。
書けるかを確認する必要はありません。

きっと、「英語がわからない」となっている多くの人が、単語が身についていません。
つまり、英語が苦手になってしまった最大の理由は、単語力にあります。
(「中1の1学期からこんな一気に単語が出てくるのってどうなの!?本当に良いことなの!?」って私は思うのですよ…。)

単語がわかるようになれば、英語はびっくりするぐらい一気に伸びだします。
これにはちゃんと理由があります。

 

英語は順番がはっきり決まっているからです。

 

「私は・公園で・サッカーを・する」
「私は・サッカーを・公園で・する」
「サッカーを・私は・公園で・する」
「公園で・私は・サッカーを・する」

日本語は言葉の位置が変わってもの、「て・に・を・は」が正しければ意味が通じます。
この「柔軟さ」が日本語の便利さであると同時に、日本語学習者にとっては難しさでもあります。

しかし、英語はそうではありません。

「私は・する・サッカーを・公園で」
これだけです。
もちろん例外はありますが、例外なんて出てきた時に知ればいいのです。

「私は・する・サッカーを・公園で」
主語が来て、動詞が来て、目的語が来て、場所を表す語が来るのです。
これしかないのです。

つまり、単語を覚えられたら、あとはこの順番に当てはめていけばいいだけです。
日本語のように話す人によってその語の順番が変わるなんてことはありません。

単語がわかるようになれば、絶対できるようになります。

 

中学1年生で英語がわからなくなっている人は、教科書の単語を初めから覚えていきましょう。
単語がわかるようになれば、読める文章が増えます。
それがあなたの「自信」になります。
自信を持った人間は強いです。
この冬は単語力強化に集中してみてはどうでしょうか。
大丈夫、あなたの英語力は今から伸びていくのです。

小学6年生のみなさん、小学生のうちに、特に「動詞」をひとつでも覚えましょう。
間違いなく4月からのあなたを助けてくれます。
学校の自主学習ノートに英語を書いてみる日を作ってみてはどうでしょうか?