やり方が大事なんですよ

①エビングハウスの忘却曲線

ドイツ人のエビングハウスが実験をして発表したものです。とても有名で、知っている人もかなりたくさんいるでしょう。その実験は「20分後には42%の内容を忘れている」ということで有名になりましたが、注目すべきはそれではありません。詳しくは興味のある方で調べていただいたらと思いますが、大事なことは「20分後に勉強しなおすと、58%の時間を節約できた」ということです。「20分後には42%の内容を忘れている=58%は覚えている=忘れているものを覚えなおすのに使う時間は、20分前より58%短い」ということ。エビングハウスの忘却曲線は「これだけすぐ忘れてしまうんだよ!」ということを表しているのではなく、「復習することでこれだけ記憶の呼び戻しに費やす時間などが少なくなるんだよ!」ということなのです。

 

②ウォータールー大学の忘却曲線

これはとても興味深い実験結果です。1時間の講義を受け、その講義内容の記憶に関する実験です。講義を受けた翌日に10分間の短い復習を行った場合、その記憶は前日の講義後とほぼ同じ100%まで復元できるという結果が出ています。7日後にさらに短い5分だけの復習を行った場合、ここでも100%まで記憶を復元できるという結果が出ています。これはすごい。

 

③レミニッセンス

聞きなれない言葉かもしれません。私もこれは前職時代に同僚から教えてもらったものです。記憶したものは時間の経過とともに薄れていくことが普通ですが、時に時間が経過したあとのほうがその記憶が定着し、再生できることがあるというものです。上記の①②とは反対ですが、「それわかる!」という人もいると思います。好きな歌手の歌を覚えたりするときに、何度聞いて、何度一緒に歌っても歌詞が飛んだのに、数日後久しぶりに聞くと驚くほど歌詞が頭に入っているということが、私自身かなりたくさんあります。まさにレミニッセンスだと思います。「①覚えなければいけないという焦り②疲労」これらが記憶を妨げ、「①元気な頭と体②一旦立ち止まってじっくり考えること」で記憶が定着すると考えらえれるそうです。

 

①②③を見てわかることは「一気に詰め込んでも、復習したり、時間をおいてあげないとだめだ」ということですね。①では学習後しばらくしてからもう一度すると、次は半分以下の時間と労力で済むということが結果として出ています。②では翌日にたった10分の復習、7日後にたった5分の復習で100%の復元が可能だとあります。③では焦らずに、時には少し時間をとって自分の頭を整理させてあげる時間も大切だということがわかります。

行きつくところは学習の工夫、宿題の工夫です。一気にまとめてドーンとやって、それ以外の日はしないではだめなんです。「3日間徹夜したぜ!勉強量は他のヤツには負けてない!」と思っても、負けていないのは勉強量だけで、知識や暗記の量は圧倒的に差があるわけです。そのことがちゃんとした実験結果でわかっているのです。だからこそ、毎日とは言いませんが、2日に1回のペースで勉強していきましょう。だから当塾では宿題は毎回プリント3枚です。月曜が塾の場合は火曜・水曜で1枚、木曜・金曜で1枚、土曜・日曜で1枚です。このペースでいいのですよ。ちゃんと意味があり、理にかなっているのです。