長文問題に強くなるために③

長文問題シリーズ第3弾です。「they, them, it, thatなどがわからなくなってしまう」という問題について考えていきましょう。

「they, them, it」などを代名詞と言います。その名前の通り「何かの『代わり』になる『名詞』」です。

代名詞には大きく分けて5つがあります。①指示代名詞②人称代名詞③不定代名詞④疑問代名詞⑤関係代名詞です。漢字で書かれると何が何だかわからなくなってきますね…。

全て大事なのですが、③④⑤はそんなに混乱するほど大量に文中に出てくることはありません。じっくりその一文を読み取ればいいですし、「文章の内容理解」というよりも「その一文を読みとる文法力」がカギになるでしょう。今回はとにかく文中にたくさん出てくる①指示代名詞②人称代名詞について考えていきましょう。

①指示代名詞とは「これ、あれ、これら、あれら」のことです。「this, that, these, those」ですね。他にもあるのですが、文章にバンバン出てくるのは上記の4つ。そして②人称代名詞は「私、私たち、あなた、あなたたち、彼、彼ら、彼女、彼女ら、それ、それら」です。主格(主語になるもの)である「I, we, you, he, she, they, it」は比較的覚えやすいですが、目的格や所有格になると苦戦しますね。「I, my, me, mine you, your, you, yours…」と一覧表をまず覚えることが第一段階です。暗記なので、個人の努力にかかっています。これを覚えていないと長文問題をする資格はありませんよ!暗記必須項目です。

自分自身の学生時代を思い返すと、国語のテストでもよく同じように代名詞を問う問題がありました。「縦線部の『それは』が指すものを本文中より抜き出しなさい」とか「『あの出来事』とは何か。25文字以上30文字以内で書きなさい」とか。文章の内容を正しく読み取れているかを問うためには、そのような問題が適しています。英語の問題でも同じで、中間テストや期末テストでもよく聞かれるでしょうし、入試でもよく出題されるパターンです。

英語を読んでいると、いたるところに「it, them, that, him, they」などが出てきて、質問で「文中の『them』が指すものを説明しなさい」と言われても、何のことだかわからないというのはよくあることです。これに対応するためには、代名詞が出てくるたびにそれが何を指しているのか意識して確認するしかありません。私もややこしくなってわからなくなってきた時は先に読み進めず、それが指すものを理解してメモをしてから読み進めていました。今もそうです。これまで数多くの中学生の問題用紙を見てきましたが、私と同じように「them=太郎と太郎のクラスメート」「it=her new guitar」のように文字でメモをしたり、意味するものを〇で囲っている生徒の問題用紙がたくさんありました。こうする以外に対策はないと思います。大事なことは、テキトーに読み進めずに、その都度確認しながら読んでいくことです。

日本語は主語も目的語もよく省略される言語です。「昨日昼ご飯にカレーを食べてさ、おいしかったからまた来週食べようと思ってる。」という会話も日本人なら違和感はありませんが、英語では「昨日(誰が)昼ご飯にカレーを食べてさ、(何が)おいしかったからまた来週(誰が)(何を)食べようと思ってる」のように( )内の語が全て入るのが普通です。これが代名詞が文章の中にバンバン出てくる原因です。「I ate curry for lunch yesterday, it was delicious so I'll eat it again next week.」のようになります

結局のところ、このような日本語の特徴が影響して代名詞に意識がいっていないだけで、少し意識するようになれば一気に道が開けるのではないかと思っています。教科書や問題集の文章を読むときに代名詞が指すものを常に意識して読んでいくようにしましょう。

長文について述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。何か少しでもヒントになれば嬉しいです。

気付けばもう12月。2021年も終わりが近づいています。それぞれ今年のやり残しがないように頑張りましょう!