長文問題に強くなるために②
それでは今回は長文問題をやっていて「時間が足りない」という問題について考えたいと思います。
ここでも初めに伝えておきますが、単語がわからなくて読めない、文法の力が弱くて読めないということで「時間がない」というのは今回の問題には含みません。しっかり単語力を鍛え、文法の力も伸ばして挑戦してください。例えるならば文法力は骨であり、単語力は筋肉です。しっかり鍛えてから長文という相手に挑んで下さい。
英文を読んでいて「なるほどね」と理解できるのに、テストの時間内に読めないというのは、「読むスピードが遅いから」ですね。速く読める力をつけていくことが大切になります。
読むスピードが遅くなる原因の多くは、日本語と英語の語順の違いにうまく対応しきれていないからです。英語は結論をまず先に述べ、そのあとに補足説明を加えていく言語です。日本語は真逆であり、結論は最後になります。「学校の制服を廃止にしたい。賛成か反対か。」というテーマがあったとしましょう。それに「1文で結論と理由を述べなさい。」と条件づけられると、「私は個性を大事にするという観点から、廃止には賛成です。」「私は入学時は費用はかさむが、3年間を見通せば私服より制服のほうが経済的なので、廃止には反対です。」というふうに賛成・反対の結論を最後に述べる人がほとんどではないでしょうか。ところが英語では「I agree with the idea because」「I disagree with the idea because」のように賛成・反対の結論が真っ先に来ます。
「英語は後ろから日本語にしていくときれいな文章になるぞ」と教わったことがあると思うのですが、そのように後ろから意味をとることを常にやっていませんか?それが時間がかかる最大の原因です。この「後ろから」というのは日本語訳を書かなければいけない問題では威力を発揮しますが、そうでないときはいちいち後ろから日本語を考え直していくのは二度手間でしかなく、時間がかかって当然です。とにかく前から意味をとっていくことが重要です。「She often goes to the nice cafe and posts many pictures on her SNS. 彼女はよく行く / おしゃれなカフェに / そしてたくさんの写真をあげる / 彼女のSNSに 」という感じです。前から前からです。
「そんなことは知っている。それができないから困っているんだ!」という人もいるでしょう。英語には細かく分けると品詞が10あります。名詞、動詞、形容詞、助動詞、前置詞、副詞、接続詞、冠詞、間投詞、代名詞です。これらの中で前置詞と接続詞の前には思い切ってスラッシュ(/)を引くようにしてみてください。前置詞についてはスラッシュを引くことで逆に難しく感じることが後々出てくるかもしれませんが、後々の話です。苦手なうちはとにかくスラッシュを引いて区切りましょう。あとはコンマとピリオドにも引けます。
In short, for our class, these three activities are more interesting than other activities. I hope this imformation helps when you organize the welcpme party. This will be a great opportunity for us. We look forward to seeing you soon.
これは中学2年生の英語の教科書に載っている文章ですが、前置詞と接続詞の前、コンマとピリオドの場所にスラッシュを入れてみましょう。
In short, / for our class, / these three activities are more interesting / than other activities. / I hope this imformation helps / when you organize the welcpme party. / This will be a great opportunity / for us. / We look forward / to seeing you soon.
長く感じる文章もこのように切れると読みやすく感じませんか?前置詞、接続詞を見つけてスラッシュを引くことがポイントです。何が接続詞で何が前置詞なのかは暗記しましょう。始めのうちは時間がかかるかでしょうが、慣れてくると「ここスラッシュ、ここもスラッシュ」のようにテンポよく線が引けるようになりますし、関係代名詞の後や分詞のあとにもひけるということに気付き出します。
読む時間を速くすることが時間内に問題をやり切るために大切です。そのためには前からどんどん読めるようにする力がいります。そのためには意味の切れ間がどこかわかる力が必要になります。それがどこになるのか、前置詞と接続詞の前です。スラッシュを引く練習をしてみてください。
次回は「they, them, itなどがどんどん出てきて途中からわからなくなる」という問題について考えていきたいと思います。