次のステージに進むには…

 

マンガが原作のドラマ「二月の勝者」。中学入試に奮闘する小学生と塾講師のお話。面白いです。マンガもとてもおもしろいです。ドラマでは毎回講師たちが仕事終わりに立ち寄って食事をする場面があります。そのお店がすごくいい感じ。バーカウンターがあって、そこでお酒や食事を楽しむことができる食堂&居酒屋&バーのようなお店。そのすぐ後ろにはボーリングのレーンが4つあるのです。照明も少し薄暗くて落ち着いた雰囲気。見るたびに「こんなところ行ってみたい!」と思います。実際に横浜にあるお店だそうです。

中学受験の大変さがすごくわかるストーリーです。ところどころ極端な表現もあって、「そんなこと言うのね…」とあっけにとられてしまう場面も多々あるのですが、それこそ柳楽くんが主演を務める塾講師のおもしろいキャラクター。入試当日に何点取れるかだけが勝負を左右する世界に身を投じている小学生を思うと、本当にすごいと思います。子どもも親も。

たくさん考えさせられる言葉が登場することこそ私にとって「二月の勝者」がためになるところです。


次のステージに進むには、『知識』と『コツ』、『テクニック』が必要。

 

そうですよね、本当にそう思います。「知識」が必要なのは誰しもすぐわかるのですが、「コツ」と「テクニック」です。

学問だけでなく、スポーツでも音楽でも娯楽でも、上達するためには「知識」が必ず必要で、それは勉強すれば身につきます。書物などからだけでなく、詳しい人から口頭で教わることでも知識はどんどん身についていきます。つまり、知識はその人のやる気次第でいくらでも身につけられます。

「コツ」です。よく「コツを掴む」と言いますが、語源由来辞典によると、コツの語源は、漢語「骨(こつ)」であり、骨は体を支える役目を果たしていることから、人間の本質や素質などを意味するのだそうです。そこから派生して、コツは勘所や要領も意味するようになり、物事の本質を見抜き、自分のものにすることを「コツをつかむ」と言うようになったそうです。「自分のものにすること」が「コツをつかむ」ということなのですね。知識はたくさんあれど、それを上手に使えないことって確かにあります。野球で速い球を投げるための上手な腕の振りは知識として覚えたけれど、じゃあ自分でそれが体現できるかと言われるとなかなかできないなんてことは多々ありますね。

何事においても「コツを掴む」というのは、最終ゴール地点に限りなく近いと思います。コツが掴めたらあとは数多くやって体や頭に馴染ませて、定着させればいいのですから。そのコツを掴むために必要不可欠なのが「テクニック」です。技、技術です。

先週、マラソン大会に向けて練習したいと小3の娘が言いだし、1.5kmを一緒に走りました。初めての距離で何もわかっていない娘は、半分ほどの距離でどんどんペースが落ちました。走ることなんてど素人の私が「呼吸を足のリズムと一緒にやってみて」「一気に深く吸ったり吐いたりせずに、小さく2回吸って、小さく2回吐いて」「ラストスパートはもう呼吸は気にせず、とにかく手の親指の爪を自分の目の高さまで上げるようにして大きく振って」とアドバイスをしました。走った後、娘は途中からすごく呼吸が楽になったこと、しんどい足が腕を振ることで自然と前に出たことを実感したようでした。これこそテクニックだと思うのです。次に走るときにはこのテクニックを再度実践して、くり返すことで「コツを掴む」ようになるのではないかと思います。

速く走るには足を前に出すだけでなく、上に上げる必要があります。オリンピックに出るような短距離走者たちはみんな膝が腰ぐらいまで上がっています。腕の振りと足の振りは連動しており、腕を強く振ることで足が大きく上がります。これは私も人から教わった知識です。この知識が技術につながっています。

「この算数の問題、どうやって解いたのか教えてくれるかな?〇〇さん。」「はい、私はダイヤグラムを使って考えました。それで~~~。」「素晴らしい。ダイヤグラムを使うと解ける問題だと気づいたんだね。」

これは「二月の勝者」の授業の1コマですが、コツを掴むためには知識が必要であり、その知識を生かしてテクニックを身につけなければいけません。時にテクニックを身につけることは、自分ひとりだけでは難しいことがあるでしょう。だから「二月の勝者」のように、中学受験をする小学生たちは優秀な講師たちから解き方のテクニックを教わっているのでしょう。

知識、コツ、テクニック。みなさんもどん欲に次のステージを目指していきましょうね!