初心を忘れたらあかんよ。
当然のことですが、教室の中は毎日そうじをしています。
掃除機をかけ、棚の上などにほこりが無いように拭き、掃除機をかけられない玄関はほうきで掃き、ちょっと隙を見せると入ってきて巣を張ってきやがるクモがいないか天井や部屋の隅を見て回り。
教室はカーペット敷きのため、休憩時間などにそのまま座ったり、中には寝転がる生徒もいます。
そのときにほこりや消しカスだらけでは気分も下がりますよね。
目の行き届いていないところもあるかもしれませんが、清潔で気持ちのいい環境であるように努めています。
が、明らかに手を抜いているところがありました。
それが「窓ふき」です。
元井英語塾の教室は正方形ですが、その4面のうち1面がほぼガラス張りです。
そこに「元井英語塾」と大きくウィンドウサインを貼っています。
この窓ふきをここ最近蔑ろにしていました。
ほこり、砂、花粉、虫、葉っぱ、そして雨が降れば水しぶきが跳ねます。
一目で明らかに汚れている場合はさすがにその部分を拭いていましたが、全面全てを丁寧に拭く、ということは最近していませんでした。
今日は天気がよく気持ちよかったこともあり、塾に着いたときにふと「窓ふきをしっかりやろっと!」と思い立ちました。
出入り口も全面ガラス張りのスライドドアで、その窓は毎日拭いているのですが、上のほうや下のほうは手抜きになっていて汚れていました。
「こういうところもちゃんとせなあかんな。これから気をつけよう。」と思いながら拭き進め、『元井英語塾』と書いてあるウィンドウサインを拭き始めました。
「この白いところ、めっちゃ水垢ついとるやん。
しかも『元井英語塾』の『井』のとこ、小さい虫の死骸ついとるし。
えっ、この赤い小さな汚れ何?」
ウィンドウサインにたくさんの汚れがついていました。
そしてそれを拭きながら、4年前のことを思い出しました。
4年前の6月に塾のウィンドウサインを貼ってもらいました。
私はその場に立ち会っていました。
真っ直ぐビシッと貼られた「元井英語塾」のウィンドウサインを見て、いろいろな思いがこみ上げてきました。
毎日のように拭いて、きれいにしていました。
「塾の前を通る人がイヤでも目に入るこのウィンドウサイン。
きれいにしておかないとね。」
それが貼られて間もない数週間後に、持っていた棒を自分の不注意でそこにぶつけてしまい、ウィンドウサインに数ミリの穴が開いてしまいました。
相当ショックで落ち込みました。
今はどうでしょう。
汚れていても気にしない。
それ以前に汚れているかどうかも気にしない。
あのときの自分はどこにいったのでしょうか。
これではいけない。
調子に乗るな、自分。
その汚れを拭きながら、「ごめんな」と勝手に口から出ました。
だれに対して、何に対して言ったのか今考えてみると、とても多くのものが浮かびます。
ごめんね。
これからは毎日必ずきれいにするからね。
あの頃の自分の気持ちを忘れたらあかんよ。