「何もせずできてるんじゃないんすよ。」
1学期も終わりが近づいています。
小学校ではこの1学期の間にたくさんのテストがされたことでしょう。
中学校では小学校ほどのテスト回数はないものの、中間テストと期末テストという大きなテストが実施されましたね。
そして期末テストも終了し、答案も返却をされました。
この1学期を振り返って、学習面はどうでしたか?
一言に「勉強する」と言っても、それにはさまざまな方法、内容があります。
その中で欠かすことができないひとつに「暗記」があります。
英語の勉強でも同じです。
英語は「理解(文法)」と「知識(単語、熟語)」の両輪です。
長年子どもたちに英語を教えていて、常に感じることは「知識(単語、熟語)」の弱さです。
文法力はかなり高いのに、単語を知らなすぎで手が止まる。
そんな生徒を数多く見てきました。
「なんで中3のこんな難しい分詞の後置修飾の問題が解けるのに、中1でやったこの単語知らんのよ!」みたいなことがよくあります。
「暗記が苦手なんです。」
「覚えられないんです。」
というようなことを言う人もいますが、本当にそうですか?
暗記が得意な人もいれば、苦手な人もいます。
それは事実だと思います。
しかし、暗記ができないという人はいません。
取り組む頻度と量が増えれば絶対に覚えます。
昔、とある生徒に勉強のしかたについて聞いたことがあります。
その生徒は毎回テストで高得点をとり、順位もトップレベルです。
そのときにその生徒が話してくれたことが印象的で、今でも思い出します。
「自分自身小学生のころから算数、数学が好きで、計算も速いほうでした。
先生が教えてくれることもスーっと理解できて、テスト前にばたばたしたり、大きく困ったこともないんです。
自分で言うのも変ですが、数学に関してはもともとセンスがあるんだと思います。
だから数学が苦手な人に『こう勉強すればいい』っていうのは正直ないんです。」
なるほど。
センスってありますよね。
英語でもセンスがある子っています。
スポーツや芸術分野なんてもっとセンスが顕著に出ますよね。
生徒は続けて話してくれました。
これが強く印象に残っている部分です。
「ただ、自分は昔から暗記が苦手なんです。
漢字もそうやし、都道府県の位置とか、英語の単語とかもそう。
暗記が苦手で、大嫌いです。
でも、できるようになりたいから、ひたすら何度も書いてみたり、読んでみたり、同じ問題を繰り返してやったりしています。
ときどき『お前って頭よくて良いなぁ。』とか言われることがあるんですけど、『いや、違うから』っていっつも心の中で相手にツッコんでいます。
何もせずにできてるんじゃないんすよ。」
勉強でもセンスが助けてくれているということはあります。
でも、泥臭くやり続けているからこそという部分のほうが絶対多いです。
「暗記が苦手」
「覚えられない」
だからやらないのではなく、だからこそ時間と量をかけていくのですよ。
この生徒からは普段そんな泥臭さは一切感じなかったのですが、見えないところで努力を重ねていたのです。
テストで点数をとる人は、それだけの努力をしている。
すごくシンプルな話でした。