集団の力

元気な元気な中学1年生。

中学1年生の授業は90分間ですが、いつも途中で5分間休憩をとっています。

たった5分だけですが、とても元気。

笑い声が溢れています。

しかしながら、休憩が盛り上がれば盛り上がるほど切り替えが難しくなりますね。

こちらからお説教をすることもしばしばありました。

 

2学期に入ってからそんな1年生に伝えたことがあります。

それが環境の大切さです。

「失敗することが当たり前になっている集団は、そこに属する人みんなが伸びません。

それとは逆に、成功することが当たり前になっている集団に属する人たちは、ぐんぐん伸びていきます。

失敗や間違いをしたときに、その人が『ヤバい、間違った』と焦りやちょっとした恐怖を感じる集団。

そんな中に自分の身を置くと学力はぐっと伸びます。

今の中学1年生のこの集団はどちらでしょうか?」

 

そのときから中学1年生の雰囲気が変わりはじめました。

19時15分に授業が始まり、最初10分間は各自で単語自習学習。

シーンと静まり返った教室。

ワークやプリントを使った問題演習になっても、ひたすらカリカリと鉛筆が動く音がするのみ。

私が伝えた「成功することが当たり前の集団」というのは、ワークやプリントの問題で正解をする人たちばかりの集団という意味ももちろんあります。

しかしその結果だけでなく、そこに至るまでの過程を大事にする集団のことです。

自分で考え、あきらめず、静かに取り組み、周りの人のことを気遣い、そして競争する。

それが伸びる集団の特徴だと私は感じています。

 

その雰囲気ができてきた1年生。

授業後に「残って30分だけ勉強して帰っていいですか?」と意欲的な人が出てきました。

「それじゃあ自分も残って頑張る!」と後に続く人が出てきました。

間違っても普通の表情をしていた人が「なんで?どこが?」と悔しそうな表情をするようになりました。

逆に「正解」と伝えると満面の笑みを浮かべるようになりました。

「単語テストが始まったから、毎回合格できるように単語頑張る!」と家で地道に続け、その姿に感心するお母さんもおられます。

そんな取り組みができ始めた1年生。

それぞれがしっかり力を伸ばしていることは言うまでもありません。

あとはその頑張りがテストの点数に反映されるとこの上ない喜び、達成感を得られるでしょうが、さてさて、期末テストの結果はどうだったでしょうかね。

これからもメリハリをつけて、集団の力を大切にしていきましょう。